独立してからずっと業務委託の仕事をしてきて、最近になってはっきり分かったことがあります。やっていること自体は、会社員だったころとほとんど変わらないということです。違うのは働く場所と、出社が無いこと。それだけでした。
これは「独立したのに何も変わらなかった」という愚痴の記事ではありません。実際に変わったこともあります。ただ、独立したら自動的に別の世界に行けると思っていた部分については、はっきり間違っていました。その勘違いがどこにあったのか、そして今それをどう変えようとしているのかを書きます。
業務委託は「会社員の仕事を、家でやっているだけ」だった
私は元調理師で、飲食の現場に10年いました。そこからSNS運用代行のフリーランスとして独立しています。今の収入の柱は業務委託の仕事です。
独立する前、私が想像していたフリーランス像は、たぶん多くの人が思い描くものと同じでした。自分で仕事を選んで、自分のやり方で進めて、自分の裁量で時間を決める。会社員とは根本的に違う働き方をしているのだろう、と。
実際にやってみると、業務委託の中身は会社員の仕事とほとんど同じでした。決められた業務があり、期日があり、求められる品質があり、それを満たすと報酬が入る。この構造は雇用契約でも業務委託契約でも変わりません。契約の形が変わっただけで、私がやっていることの本質は動いていませんでした。
朝、パソコンの前に座って、その日にやるべき作業を消化していく。相手からの連絡に返す。修正が来たら直す。終わったら次の案件に移る。この流れは、飲食の現場で「今日出す料理を、今日出せる状態にする」ことを繰り返していたのと構造として同じです。時間を差し出して、その対価をもらっている。
本当に変わったのは、場所と通勤だけ
正直に書くと、変わった点として明確に言えるのは働く場所が違うことと、出社が無いことです。これは小さいことではありません。当時は昼に出勤して真夜中に退勤する生活で、付き合っている人と生活リズムが合いませんでした。会えるのが夜になるので、予定を合わせるのが難しかった。休みの日は体力が残らず、休みでも何もできずに終わっていました。休憩時間もほとんど取れませんでした。
その部分は完全に解消されました。今は好きなことを好きな時間にやれています。だから辞めてよかったと今になって思えます。ここは本当に、独立して得られたものです。
ただ、それは労働環境が変わったのであって、稼ぎ方の構造が変わったわけではないということでもあります。時間を売っている、という点は同じままでした。
「頑張っても変わらない」の正体は、会社ではなく構造だった
飲食を辞めようと思ったのは、変わらない日常のまま今後もこれが続くのか、と考えた瞬間でした。労働時間が長くて体力的に辛い仕事を、この先ずっと続けるのは嫌だと思った。給与や待遇について、社長とは価値観が合わないとずっと思っていました。そして何より、頑張っても変わらない、という事実があった。それがいちばん大きかったです。
当時の私は、この「頑張っても変わらない」を会社の問題だと思っていました。社長の考え方が合わないから、この職場だから、この業界だから。だから場所を変えれば解決すると思っていました。
独立して、それが半分しか当たっていなかったと分かりました。頑張った分が積み上がらない働き方は、契約形態を変えても続くんです。業務委託でも、私がやった作業は納品した瞬間にクライアントのものになります。私の手元には報酬だけが残って、資産は残らない。来月も同じ量の作業をしないと、来月の報酬はありません。
これは飲食で「今日作った料理は今日で終わり、明日はまたゼロから作る」のと同じ性質を持っています。悪いことではありません。ただ、積み上がらない。
いま実際に困っていること
2026年8月時点で、私が抱えている不安をそのまま書きます。
- 自社の収益がまだ立っていない
- 業務委託は仕事量が多くて大変なわりに、利益は低い
- AIを使った仕事に可能性は感じているが、収益が立っていないので方向性が合っているのか不安になる
- 自動化を作っているのに、結局そのつど自分の手を動かしてしまっている
- 自分の発信の集客がうまくいっていない
この5つのうち、最初の2つが業務委託と自社事業の違いをいちばん端的に表しています。業務委託は仕事量が多くて大変なわりに、利益が低い。でも収益は立つ。自社事業は収益がまだ立っていない。でも積み上がる可能性がある。
今の私は、確実に入るけれど積み上がらないほうに時間の大半を使っていて、積み上がるかもしれないけれど今はゼロのほうに残りを使っている、という状態です。
フリーランスはメンタルが不安定になりやすい、という話の中身

独立してから半年くらいは無収入でした。そのあとの半年くらいも、収入は一桁万円台でした。その間はアルバイトをしながら食いつないでいました。独立するために動画編集のスクールに入って、費用は約70万円、期間は6ヶ月。収入が無いまま費用だけが出ていく時期がありました。
この時期のことは別の記事にも書いているので深入りしませんが、ここで言いたいのは収入が安定した今でも、不安の種類が変わっただけで不安そのものは消えていないということです。
フリーランスはメンタルが不安定になりやすいし、将来も不安です。会社員なら、会社が続く限り来月も同じ額が入ります。業務委託は、契約が終われば来月ゼロです。この差は日々の作業内容には現れませんが、頭の中では常に動いています。
だから業務委託は「会社員と同じ仕事内容で、会社員より不安定」という側面を持っています。安定を求めて独立する人はいないと思いますが、業務委託だけで独立を完結させると、会社員の再現度が高いわりに保証だけ無い状態になりやすい。私は今その状態にいます。
営業が苦手だから、余計に業務委託に寄る
私は営業が苦手です。テキストでのやり取りが昔から苦手で、今でも苦手なままです。初対面の相手とオンラインで話すと、人見知りと自信のなさが前面に出てしまいます。自分でも分かっています。正直、その時間が本当に嫌です。
金額を出すときも、自信がないから自分から下げてしまっていました。提案資料を見てもらえたことはありましたが、そのあとの連絡は一切来ませんでした。こちらからリマインドする勇気がなくて、そのまま終わりました。
この苦手さがあると、継続的な業務委託は非常にありがたく感じます。一度取れれば、営業しなくても仕事が続く。これは営業が苦手な人間にとって、とてつもなく大きい。だから自然と、業務委託の比率が上がっていきます。
そして比率が上がるほど、自社事業に回せる時間が減ります。営業が苦手だから業務委託に寄る、業務委託に寄るから自社の収益が立たない、収益が立たないから業務委託を減らせない。この循環に今いる自覚があります。
自社事業でやっていることと、その現在地
では自社事業として何をしているのか。私が今やっているのは、AIと自動化を使った発信の仕組み作りと、そこから仕事につながる導線を作ることです。
自動化を組み始めたのは2026年6月で、まだ2ヶ月ほどしかやっていません。今動いているものを具体的に書きます。
- Threadsは1日5本(7時・12時・17時・21時・23時)を全自動投稿。Windowsのタスクスケジューラー+Python+API直叩きで組んだ
- Xも同じ時間に1日5本、同じ作りで自動投稿。2026年8月4日に動かし始めた
- 毎朝6時台にAIが投稿文をまとめて生成し、Googleドライブにテキストで保存する。投稿スクリプトはそれを読んで投げるだけ
- 投稿が失敗したらログに残り、Discordに通知が飛び、次にPCを開いたときにも報告が上がる
- noteの新着はRSSで拾って、月水金に自動で告知。XではURLを本文に置かず、ぶら下げる返信に貼っている
- 週次・月次で自分の投稿を自動集計して、Discordにレポートが飛ぶ
- Threadsの認証トークンは60日で切れるので、毎月1日に自動で延長する仕組みを入れた
費用は、XのAPI利用料が1日5本の投稿で月350円ほど。ThreadsのAPIは無料。タスクスケジューラーはWindows標準機能なので0円です。
ここまでは、業務委託とは明確に違う性質の作業です。誰かに頼まれてやっているのではなく、自分の事業のためにやっている。納品先も締切もありません。
そして、結果はまだ出ていない
数字を出します。2026年6月25日から7月27日までに87本を自動投稿しました。その間、フォロワーは0人のままでした。
7月27日時点で数えたとき、7月のビューは527、いいね7、返信0、リポスト0。返信は一度も来ていません。スロット別の平均ビューは朝15.7、昼5.7、夜1.8で、朝がいちばん見られていました。週ごとの平均ビューは18.2 → 15.9 → 8.4 → 7.9 → 5.0と右肩下がりでした。68本のうち13本はビューが0か1でした。
7月のThreads全体では82本投稿して、合計ビュー582、いいね8、平均ビュー7.1。ビューが0か1のままだった投稿は18本ありました。8月4日までの7日間では24本投稿して、合計ビュー120、いいね1、返信0。スロット別平均は朝6.0、昼6.6、夜2.4。ビューが0か1のままだった投稿が8本ありました。
noteは2026年7月27日時点で記事27本、フォロワー2人、全記事の合計いいねは45です。
これが自社事業の現在地です。業務委託なら、同じ量の作業をすれば確実に報酬が入ります。自社事業では、同じ量の作業をしても数字がゼロのまま2ヶ月が過ぎることがある。これが違いです。
自動化を作っているのに、結局そのつど手を動かしている

ここが今いちばん自分でも情けないと思っている部分です。自社事業として自動化を組んでいるはずなのに、実際には毎回そのつど自分の手が入っています。
理由ははっきりしていて、壊れるからです。この2ヶ月で実際に起きたことを並べます。
- 2026年7月3日から5日まで、Threadsの投稿が1本も出ていなかった。原因は早朝にPCがスリープしていて、6時の生成スクリプトが走れなかったこと
- 7月14日に投稿が3件失敗した。原因はPCが落ちていたこと
- note告知が一度も投稿されていない時期があった。原因は、告知文をスプレッドシートにだけ書き込んで、投稿スクリプトが読むドライブ側のファイルを更新していなかったこと
- 認証トークンのファイルにBOMが混ざっていて、投稿が丸ごと止まった。見た目は何も変わらないので原因特定に時間がかかった
- トークンのファイルを全行つなげて読んでしまい、認証エラーになった。実際に必要だったのは1行目だけだった
- Threadsの認証トークンが、あと10日で切れるところだった。切れたら投稿が全部止まる。気づいたその日に延長して、ついでに毎月自動で延長する仕組みにした
いちばん堪えたのは、Xの自動投稿を組んだときです。タスクは全部「準備完了」と表示されていたのに、実際は一度も動いていませんでした。原因は登録スクリプトで変数名にPowerShellの予約語を使っていて、タスクに渡す引数が丸ごと空になっていたこと。エラーもログも残らないので、気づくのに時間がかかりました。
それ以来、タスクを登録したあとは「準備完了」の表示だけで安心せず、渡している引数が空になっていないか毎回確かめるようにしています。日付を整える処理でも、パソコンによって使える書き方と使えない書き方があるのを知らずに書いて、機能がまるごと無言でスキップされていたことがありました。エラーが表に出ない失敗がいちばんこわいというのが、この2ヶ月の実感です。
業務委託には、こういう時間が発生しない
ここが構造として面白いところで、業務委託の仕事にはこの種の作業がありません。環境はクライアント側が用意しているか、すでに動いているものを使う。私は作業をするだけです。
自社事業では、作業をする前に作業できる状態を作らないといけない。しかもそこには誰も報酬を払ってくれません。自社事業の時間は、直接お金に変わらない時間の比率が圧倒的に高い。これも業務委託との違いです。
XのAPIキーを取りに行ったときも、画面には下6桁しか表示されなくて、完全な値を見る方法が無く、結局いったん作り直すしかありませんでした。しかもキーを作り直す順番を間違えると、後から作ったほうが無効になる。親のキーを先に作り直してから、その下のキーを作り直す必要がありました。この作業は1円にもなりませんが、やらないと何も動きません。
AIに任せようとして、別のところで詰まった
自社事業の作業量を減らすために、投稿文の生成はAIに任せています。AIを本格的に使い始めたのは独立してからで、最初に触ったのはChatGPTでした。きっかけはYouTubeで動画を見たこと。それで自分でも触ってみました。最初にやらせたのは当時やっていたコンサル業務です。当時は精度があまり高くなくて、期待していたほどではありませんでした。今は毎日使っていますが、最初からうまく使えていたわけではありません。
今回詰まったのは精度ではなく、事実の扱いでした。投稿文をAIに書かせていたら、実際とは違う数字を書いてきたんです。本当は68本なのに62本と書いていて、しかも文章としては自然だから読んでも気づけません。
対策として、実際に起きたことと実測値だけを書いた台帳を作り、そこに載っている数字しか使わせないようにしました。ところが台帳を足しただけでは直りませんでした。前から書いてあった「毎回、具体的な出来事を必ず入れる」という指示と噛み合わず、台帳のネタが尽きるとやっぱり作り話をする。「無ければ書かなくていい」と言い直して、やっと止まりました。
これも業務委託では発生しない種類の問題です。クライアントの案件なら、素材も情報も先方から来ます。自社事業では、自分が持っている事実が唯一の素材で、それが尽きたときに何を書くかまで自分で決めないといけません。
それでも自社事業に時間を割く理由

ここまで読むと、業務委託のほうが割がいいように見えるかもしれません。実際、短期で見ればそうです。作業すれば確実に報酬が入って、環境整備の手間もない。
それでも自社事業を続けているのは、引き継いだクライアントの案件をコンセプトから作り直したものが、最近になって伸びたからです。素直にうれしかった。クライアントも驚いていましたし、正直、自分でも驚きました。
大事なのはその過程です。伸びるまで手応えは一切ありませんでした。やっている最中は、効いているのかどうか分からないままでした。手応えが無い時期がしばらく続いたあとで、急に来た。だから今も、反応が無い期間をすぐ失敗とは思わないようにしています。
Threadsのフォロワーが0人のまま87本投稿した1ヶ月も、noteのフォロワーが2人のまま27本書いた期間も、その意味では判断を保留している状態です。もちろん、ただ待っていれば良くなるという話ではありません。この2ヶ月で分かったこともあります。
- 自動投稿は「続ける力」はくれるが「届く力」は別物だった
- 投稿の質を上げる前に、そもそも誰にも見られていないことのほうが問題だった
- 抽象的な問いかけだけの投稿より、具体的なしくじりを書いた投稿のほうが見られていた
誰にも見られていない状況が続くのは、単純にきついです。数字だけ見れば、業務委託に全振りしたほうが今月の手取りは増えます。それを分かったうえで、積み上がらない働き方を10年やってきた自分としては、もう一度同じ場所に戻りたくない、というのが正直なところです。
いま次に置いた一手
2026年8月6日に、自社サイト(7ページ)とLPの公開準備を終えました。問い合わせフォームをGoogleフォームにつないで、送信テストまで成功しています。あとはサーバーに置くだけです。
これは営業が苦手であることへの対処でもあります。初対面の人とオンラインで話す時間が本当に嫌で、その場で金額を自分から下げてしまう自分を知っているので、話す前に判断してもらえる材料を先に置いておく、という考え方です。
これがうまくいくかどうかは、今の時点では分かりません。うまくいかなかったら、またその実測値を書きます。
まとめ
- 業務委託の仕事は、やっていること自体は会社員と変わらなかった。違うのは働く場所と、出社が無いことだけだった
- 労働環境は独立で確実に改善した。昼出勤・真夜中退勤の生活と、休みでも体力が残らない状態からは抜けられた
- ただし「頑張っても積み上がらない」という構造は、契約形態を変えても続いた。納品した作業は手元に残らず、来月も同じ量が必要になる
- 業務委託は仕事量が多くて大変なわりに利益は低い。それでも確実に入る。自社事業は積み上がる可能性があるが、2026年8月時点で収益はまだ立っていない
- 営業が苦手だと業務委託に寄りやすく、寄るほど自社事業の時間が減る循環に入る。自分は今その中にいる
- 自社事業の時間は、直接お金に変わらない時間の比率が高い。トークンの期限延長もAPIキーの作り直しも1円にもならないが、やらないと何も動かない
- 自動化を作っても壊れる。「準備完了」と表示されていても動いていないことがあるので、引数が空になっていないか毎回確かめるようにした
- AIに投稿文を書かせたら実在しない数字を書いた。台帳を作るだけでは止まらず、「無ければ書かなくていい」と指示し直してやっと止まった
- Threadsは6月25日〜7月27日で87本投稿してフォロワー0人、7月のビューは527・いいね7・返信0。noteは7月27日時点で27本・フォロワー2人・合計いいね45。自社事業の現在地はこれ
- クライアント案件は伸びるまで手応えが一切なかった。だから反応が無い期間をすぐ失敗とは判断しないようにしている
- 次の一手として、2026年8月6日に自社サイト7ページとLPの公開準備を終えた。結果はまだ分からない


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