「働きながら動画編集スクールに通えますか」という問いに、先に結論から書きます。通えるかどうかは、平日にどれだけ時間があるかではなく、休みの日に体力が残っているかどうかで決まる、というのが私の実感です。少なくとも私の場合は、そこで詰まりました。
この記事で分かるのは、次の3つです。
- 働きながらスクールに通うとき、どこで時間が足りなくなるのか
- 「続かなかった週」が起きたとき、どう考えれば立て直せるのか
- 申し込む前に確認しておいたほうがいい、時間まわりの条件
書き手は「さとり」といいます。元・調理師で、飲食の現場に10年いました。そこからSNS運用代行のフリーランスとして独立しています。独立するために動画編集のスクールに入り、費用は約70万円、期間は6ヶ月でした。営業が苦手で、その苦手を埋めるために自動化を作っているタイプの在宅ワーカーです。
スクールの回し者ではないので、「絶対に通える」とも「やめておけ」とも書きません。私の場合はこうだった、という話をそのまま書きます。
結論:足りなくなるのは「時間」ではなく「体力」でした
働きながらスクールに通えるか、と考えるとき、多くの人はカレンダーで考えると思います。私もそうでした。平日は仕事だから無理として、土日で何時間、平日の夜に何時間、と足し算をして、これなら足りるはずだ、と判断しました。
その足し算は、間違ってはいませんでした。時間そのものは、たしかにありました。問題は、その時間に自分が動けるかどうかでした。
当時の私は飲食の現場にいて、昼に出勤して真夜中に退勤する生活でした。労働時間が長く、休憩時間もほとんど取れませんでした。その状態で休みの日を迎えると、どうなるか。体力が残っていないので、休みでも何もできずに終わるんです。これは怠けているとか、意志が弱いとかいう話ではなくて、単純に残量がゼロでした。
だから「働きながら通えるか」を判断するなら、見るべきは空き時間の合計ではなくて、直近の休みの日に、自分が実際に何をやれていたかだと思っています。先月の休みの日に何かを学べていた人は、たぶん通えます。何もできずに終わっていた人は、スクールに入っても同じことが起きます。
ここを見ずに時間割だけで判断すると、あとで「時間はあるのに進んでいない」という状態になります。私がそうでした。
私が実際に置かれていた条件
比較材料になるように、当時の自分の条件を先に書いておきます。
- 飲食の現場で働いていた。その仕事に10年いた
- 昼に出勤して、真夜中に退勤する生活だった
- 労働時間が長く、体力的に辛かった
- 休憩時間もほとんど取れなかった
- 休みの日は体力が残らず、何もできずに終わることが多かった
- 通ったのは動画編集のスクール。費用は約70万円、期間は6ヶ月
この条件を並べてみると、正直、両立にはあまり向いていない環境でした。夜のうちに終わる仕事なら夜に勉強できるし、朝が早い仕事なら夜に時間が作れます。私の場合はその両方が潰れていて、残っていたのは休みの日だけでした。そして、その休みの日に体力が無かった。
ただ、これは「だから無理だった」という話ではありません。実際、6ヶ月のスクールには通い切っていますし、独立もしています。無理ではなかったけれど、想定していた進み方とはまったく違った、というのが正しいところです。
続かなかった週に、実際に何が起きていたか

両立の話をするとき、うまくいった週の話はあまり参考にならないと思っています。参考になるのは、止まった週のほうです。
止まる週には、だいたい同じ形がありました。仕事が続いて、休みの日が来て、その日に何もできずに終わる。すると次の週に、先週やれなかったぶんが上乗せされます。上乗せされた量を見た瞬間に、手をつける前から気持ちが折れるんです。量が多すぎて、どこから始めればいいのか分からなくなる。それでまた1週間が過ぎます。
そのときどう思っていたか、正直に書きます。焦りよりも先に来たのは、「これ、意味あるのかな」という気持ちでした。お金は先に払っています。約70万円です。払ったのに進んでいない、という事実が、そのまま自分への評価みたいに感じられました。進まないこと自体より、そう感じてしまうことのほうがきつかったです。
あとから振り返ると、この「上乗せ方式」で自分を管理していたのが、いちばんよくなかったと思っています。やれなかったぶんを翌週に足していく管理は、体力が読めない働き方をしている人には向いていません。足りない週が1回来た時点で、その後ずっと借金を抱えたまま走ることになるからです。
止まった週から立て直すときに、私がやめたこと
立て直すためにやったことより、やめたことのほうが効きました。
1. 遅れを取り戻そうとするのをやめました。
先週のぶんを今週やる、という考え方を捨てて、今週やれるぶんだけをやる形に変えました。カリキュラムの進度と自分の進度がズレていくのは気持ち悪いのですが、そのズレを埋めようとすると、結局どの週も達成できずに終わります。ズレたまま前に進むほうが、止まるよりはずっとマシでした。
2. 「まとまった時間が取れたらやる」をやめました。
まとまった時間は、待っていても来ませんでした。休みの日に3時間確保する、という計画は、体力が無い日には0時間になります。それより、疲れていてもできる作業だけを分けておいて、そこだけ埋めるようにしました。手を動かす量は減りますが、ゼロの週は減ります。
3. 進んでいないことを、才能の話にするのをやめました。
これがいちばん時間がかかりました。進まないと「向いていないのでは」と考えてしまうのですが、当時の私の場合、向き不向き以前に単純に体力の問題でした。原因が体力なら、対策は根性ではなく段取りです。ここを混ぜてしまうと、直せるはずのものが直せなくなります。
「手応えが無い時期」をどう扱うか
スクールに通っている最中、いちばん不安なのは、進んでいる実感が出ないことだと思います。編集の操作は覚えていくけれど、それが仕事になる感じがまったくしない。私もそうでした。
この話は、独立してからの経験ともつながっています。最近の話ですが、引き継いだクライアントの案件を、コンセプトから作り直したことがありました。作り直している最中は、手応えが一切ありませんでした。効いているのかどうか、まったく分からないまま続けていました。それが最近になって伸びて、素直にうれしかったですし、クライアントも驚いていました。正直、自分でも驚きました。
ここで学んだのは、反応が無い期間を、すぐ失敗と判断しないほうがいいということです。手応えが無い時期がしばらく続いたあとで、急に来ることがある。スクールの学習期間も、たぶん同じ性質のものだと思っています。
ただし、これは「何も考えずに続ければいい」という意味ではありません。手応えが無い期間に、やっていることの中身を変えずに続けるのは、ただの放置です。反応が無いこと自体を失敗と決めつけないまま、やり方は変え続ける。この2つを同時にやるのが、いちばん難しいところだと思います。
申し込む前に、時間まわりで確認しておきたかったこと

私が申し込む前に確認しておけばよかった、と思っている項目を挙げます。金額やカリキュラムの話ではなく、時間に関する部分だけです。
- 受講期間が決まっているか、延長できるか。 私が通ったのは6ヶ月でした。働きながらだと、この期間の設定がそのまま難易度になります。止まる週が来る前提で選べているかどうかが大きいです
- 質問できる時間帯が、自分の生活時間と重なっているか。 昼に出勤して真夜中に退勤する生活だと、質問できる時間帯が丸ごと勤務中ということが起こります
- 課題の提出やフィードバックが、どのくらいの間隔で回るか。 間隔が短いほど、止まった週のダメージが大きくなります
- 受講が終わったあと、教材や環境がどこまで残るか。 期間内に消化しきれなかったときに、後から拾えるかどうかが変わります
この4つは、無料カウンセリングや説明の場で聞けば答えてもらえる範囲の話だと思います。私は当時、費用とカリキュラムの中身ばかり見ていて、ここをほとんど聞いていませんでした。
なお、スクールの料金やキャンペーンの内容は変わります。ここに書いているのは2026年8月時点で私が把握している範囲の話なので、実際の条件は必ず公式の案内で確認してください。
費用の話も、時間とセットで考えたほうがいい
時間の話をしてきましたが、費用の判断も、実は時間の判断と地続きでした。
私が払ったのは約70万円です。一方で、独立初期に私が受けていた編集案件の単価は、1本4,000円から10,000円くらいでした。動画の尺によって金額が変わる形です。この数字で割り算をすると、70万円は70本から175本ぶんになります。
正直に書くと、私は払う前にこの割り算をしていませんでした。あとから計算して、そういう規模なのか、と思いました。
なぜこれが時間の話とつながるかというと、働きながら通う場合、受講後にその本数をこなす時間も必要になるからです。学ぶ時間だけでなく、回収する時間まで含めて計画に入っていないと、「通い終わったけれど動けない」という状態になります。
ちなみに、いまは同じような講座が8万円から10万円くらいで売られているのも見かけます。これも2026年8月時点で見た範囲の話で、最新の金額は公式で確認していただきたいのですが、私が払った時期とは前提がかなり変わっています。金額が下がっているぶん、回収に必要な本数も減るので、両立の難易度は当時より下がっているはずです。
それでも通ってよかったと思っている理由

ここまで、続かなかった週の話ばかり書いてきました。それでも、通ったこと自体は後悔していません。
私が飲食を辞めようと思ったのは、変わらない日常のまま今後もこれが続くのか、と考えた瞬間でした。労働時間が長くて体力的に辛い仕事を、この先ずっと続けるのは嫌だと思いました。給与や待遇について、社長とは価値観が合わないとずっと思っていましたし、頑張っても変わらない、という事実がありました。それがいちばん大きかったです。だんだん毎日が楽しくなくなってきていました。
料理そのものは好きでした。きつかったのは仕事の中身ではなく、労働時間のほうです。だから辞めるとき、嫌いで辞めたわけではありませんでした。社長には電話で伝えて、そのあと話し合いの場が持たれて、「もったいない」「やめないでほしい」と引き止められました。最終日は特別なことは何も起きず、スタッフに挨拶をして普通に終わりました。後日お別れ会みたいなものを開いてもらって、普通に楽しかったです。
スクールに入ったこと自体は、その流れの中の一手でした。もちろん、入ったあとが順調だったわけではありません。独立してから半年くらいは無収入で、そのあとの半年くらいも収入は一桁万円台でした。その間はアルバイトをしながら食いつないでいました。
それでも、好きなことを好きな時間にやれている今の環境については、辞めてよかったと今になって思えています。フリーランスはメンタルが不安定になりやすいですし、将来も不安です。実際、いまも自社の収益は立っていませんし、業務委託の仕事は量が多いわりに利益が低いという状態が続いています。良いことばかりではありません。
ただ、両立に悩んでいる段階の人に伝えたいのは、「うまく両立できた人だけが独立できる」わけではないということです。私は両立に失敗した週を何度も作りましたが、それでも通い切りましたし、そのあとに進みました。
いま働きながら検討している人へ、判断の順番
最後に、判断の順番だけまとめておきます。
- 直近1ヶ月の休みの日に、実際に何をやれていたかを思い出す。 空き時間の合計ではなく、実績を見ます。ここが「何もできずに終わっていた」なら、時間割を組む前に働き方のほうを見る必要があります
- 止まる週が来る前提で、期間と延長条件を確認する。 止まらない前提の計画は、たいてい崩れます
- 疲れていてもできる作業を、あらかじめ分けておく。 ゼロの週を減らすほうが、良い週を増やすより効きます
- 費用を、自分が受ける予定の単価で割ってみる。 何本ぶんなのかを、払う前に一度計算します。私はこれをやっていませんでした
- 手応えが無い期間を、失敗と決めつけない。 ただし、やり方は変え続けます
働きながら通えるかどうかは、条件次第です。ただ、条件が悪くても通い切ることはできます。私の場合は、時間が足りないのではなく体力が足りないのだと気づいてから、やっと段取りのほうを直せるようになりました。
もし今、続かない週が続いていて、自分に向いていないのではと感じているなら、その原因が本当に向き不向きなのか、それとも単に体力なのかを、一度分けて考えてみてください。原因が違えば、打つ手も変わります。
スクールの選び方そのもので迷っている方は、費用の考え方や比較の基準についても別の記事にまとめています。まずは無料のカウンセリングで、この記事に書いた「時間まわりの4つの確認事項」を聞いてみるところから始めるのがおすすめです。聞くだけなら費用はかかりませんし、そこで自分の生活と合わないと分かれば、それも大事な判断材料になります。


コメント