この記事は、AIに文章を書かせている人が、どこを疑って読めばいいのかをまとめたものです。結論から先に書きます。AIの作り話でいちばん厄介なのは、明らかに変な文章ではありません。読んでも矛盾がなく、日本語として自然で、数字の桁も違和感がない文章です。だから読み返しても気づけません。私はここで何度も引っかかりました。
書いているのは「さとり」と言います。もともと調理師で、飲食の現場に10年いました。そこからSNS運用代行のフリーランスとして独立して、いまは自分の投稿や記事の生成をAIと自動化に任せながら動かしています。営業が苦手で、その苦手を埋めるために自動化を作り始めた、という順番の人間です。
この記事では、私が実際に踏んだ失敗と、そのあと入れた対策を順番に書きます。手順の話というより、何を疑うと引っかかるのかという話です。
最初に起きたのは、数字が静かに書き換わっていたこと
私はThreadsとXに、1日5本ずつ自動で投稿しています。毎朝6時台にAIが投稿文をまとめて作って、それをテキストで保存し、時間になったら投稿スクリプトが読んで投げるだけ、という作りです。組み始めたのが2026年6月なので、まだ2ヶ月ほどしか経っていません。
その投稿文をチェックしていたとき、実際とは違う数字が入っているのを見つけました。本当は68本なのに、AIは62本と書いていました。
これが怖かったのは、文章としては何もおかしくなかったからです。「62本投稿して」と書かれていても、桁は合っているし、前後の話ともつながっている。私自身が本数を数え直さなければ、そのまま出ていました。誤字なら目に留まります。日本語が崩れていれば止まります。でも、正しい形をした間違った数字は、読んでも引っかかりません。
そのときに思ったのは、「これは気合いで防げるものではない」ということでした。集中して読めば見つかる、という種類の間違いではないからです。読む側の注意力ではなく、そもそもAIが使える数字を制限するしかないと考えました。
対策1|実際に起きたことと実測値だけを書いた台帳を作った
やったことはシンプルで、自分の身に実際に起きた出来事と、自分で数えた数字だけを書いた台帳を1つ作りました。そして、そこに載っている数字しか使わせないというルールにしました。
載せているのは、たとえばこういうものです。
- 6月25日から7月27日までに87本を自動投稿して、その間フォロワーは0人のままだったこと
- 7月27日時点で数えた7月のビューが527、いいねが7、返信が0だったこと
- 7月14日に投稿が3件失敗して、原因がPCが落ちていたことだったこと
- 自動化にかかっている費用が、XのAPI利用料で月350円ほどだということ
ここまでやれば止まるだろう、と思っていました。数字の在庫を渡して、そこから選ばせるだけなので、作りようがないはずだ、と。
結果から言うと、止まりませんでした。
対策2|「無ければ書かなくていい」と言い直すまで、作り話は止まらなかった

台帳を足したのに作り話が消えなかった理由は、あとから分かりました。私は前から「毎回、具体的な出来事を必ず入れる」という指示を書いていて、それが台帳と噛み合っていなかったのです。
台帳のネタが尽きたとき、AIの前には二つの指示が並んでいることになります。「台帳の数字しか使うな」と、「毎回、具体的な出来事を必ず入れろ」。この二つがぶつかったとき、後者が勝っていました。つまり、書くものが無くなった瞬間に、書くために作るという動きをしていたわけです。
これに気づいて、指示を「無ければ書かなくていい」と言い直しました。それでやっと止まりました。
ここが、私にとっていちばん学びが大きかったところです。禁止のルールを1本足しても、それと矛盾する古い指示が残っていると効かない。ルールは足し算ではなく、既にあるものとの組み合わせで動きます。「禁止したのに直らない」と思ったときは、禁止の書き方を強めるより先に、それと反対のことを言っている行が他に残っていないかを探したほうが早いです。私は強い言葉を足すほうを先にやってしまって、遠回りしました。
対策3|数字が全部合っている作り話が、いちばん見つけにくい
ここからが本題かもしれません。数字を止めても、まだ残るものがありました。
2026年8月13日に、自分が書いた請求書の記事を見直していて、7か所おかしいところを見つけました。おかしいと言っても、数字は1つも間違っていません。西暦も混ざっていません。だから、私が入れていた機械的な検査は全部通っていました。読んでも矛盾がありません。
何がおかしかったかというと、こういう文でした。
- 源泉徴収の欄で手が止まった
- 取引先に聞くのを躊躇した
- 支払期限の書き方で考え込んだ
どれも私が実際に経験した場面ではありませんでした。ではどこから出てきたのかというと、台帳に書いてある性格からです。私は台帳に「営業が苦手」「人見知りで自信がない」「テキストのやり取りが昔から苦手」と書いていました。それは事実です。でもAIは、その性格から具体的な場面を組み立てていました。「聞くのが苦手な人なら、ここで聞くのを躊躇したはずだ」という推測が、そのまま体験談の形で出てくるわけです。
性格は事実でも、その性格がいつ・どこで・何に対して出たかは、書いていなければ分かりません。ここが混ざると、機械では絶対に検出できません。数字ではないので照合するものが無く、日本語としても自然で、しかも書いた本人の性格に合っているから読んでも違和感が無いのです。私は読み返して「まあ、そうかもな」と思ってしまいました。それがいちばん危ないところでした。
いま入れている判定はひとつだけです。その場面が、台帳のどの行から来たのかを1行で示せるか。示せないなら書かない。示せない場所には、あとで自分の手で埋めるための印だけ残して、記事はいったん下書きで止めます。
同じ理由で、手順の説明の中に自分の動作を混ぜるのもやめました。「私は毎回こうしている」という一文です。道具の名前が台帳にあっても、その道具をどう使っているかは別の事実なので、書いていなければ分かりません。道具名があるだけで使い方まで書けてしまう感じがするのですが、そこは地続きではありませんでした。
対策4|公開の直前で、記事を1本止めた話
2026年8月12日、その日の夕方に公開される予定だった記事を、公開の直前で止めました。
止めた理由は、記事の中にモニターアームについて「実際に使っていて、もう元には戻れない」と書いてあったのに、自分が使っている道具を書いた台帳に、アームが1行も無かったからです。
そのあと確認したら、実際は4本使っていました。記事の中身は本当だったのです。
それでも止めたのは正しかったと、いまも思っています。問題は結果ではなく、そこに至る道すじのほうでした。私はキーワードを登録するときの実体験の欄に「実体験あり」と自分で書き込んでいて、そこから先の仕組みは全部、それを本当のこととして扱っていました。つまり、裏を取らずに立てた旗が、下流では確定した事実として使われていたわけです。
同じ日に登録したデスクライトの行には、ちゃんと「持っていないので、いらなかった側で書く」と書いてありました。書けるときはきちんと書けている。ということは、アームの行だけがたまたま雑だった、という話ではなく、確かめ方が決まっていなかったという話です。合っていたのは結果であって、確かめ方ではありませんでした。
もしここで「実際は使っていたんだからOK」と流していたら、次に同じことをしたとき、今度は本当に持っていないものについて「使っている」と書いていたと思います。当たったから良し、にすると、外れる日まで気づけません。
数字が合っていても、古くなっていることがある

もうひとつ、作り話とは別の種類の間違いがあります。書いた当時は正しかったけれど、いまは違うという数字です。
2026年8月8日、集客用のLPを飲食店専門から業種を問わない汎用版に書き換えました。飲食の現場10年という経歴は残しつつ、前に出す軸を「7社の運用を継続して任されていること」と「企画から分析まで丸投げできること」に変えました。
その書き換えの途中で、二つ見つかりました。ひとつは、キャンペーンの期限が6月末のまま失効していたこと。もうひとつは、料金の説明に使っていた金額が、どのプランとも一致していなかったことです。
どちらも、書いた時点では意図があって書いたはずのものです。放っておくと、こういうものが静かに古くなります。しかもこの手の間違いは、AIに書かせているかどうかとは関係なく起きます。人が書いても同じです。ただ、AIに書かせていると本数が増えるぶん、古い数字の在庫も増えます。
なので私は、金額と期限だけは、記事の中で完結させないようにしました。いま公開している料金のページに合わせる、という縛りを先に決めておくやり方です。記事ごとに書いた金額をそれぞれ直していくのは、本数が増えると必ず追いつかなくなります。
本文だけを見ていると気づけない場所がある
2026年8月9日、公開している記事に初めてアフィリエイトリンクを設置しました。事業を始めて2か月、記事を21本出したあとで、やっと収益になる地点ができたところでした。
設置してすぐ、おかしなことに気づきました。広告があることを知らせる表示を記事の先頭に置いたせいで、検索結果に出る説明文が「この記事には広告が含まれます」から始まっていたのです。
これは本文だけを見ていたら、まず気づけません。記事のページを開くと、先頭に表示があるのは当然のことに見えるからです。おかしいのはページの中ではなく、そのページが外からどう見えるかのほうでした。
AIに書かせた文章を確認するとき、私たちはたいてい本文を読みます。でも、実際に読者が最初に目にするのは、検索結果に並んだ数行だったりします。本文の中でどれだけ丁寧に書いても、入口の1行が事務的な注意書きから始まっていたら、そもそも開かれません。
この日から、確認するときに本文の外側も一度見るようにしました。検索結果でどう出るか、SNSに貼ったときにどう見えるか。中身が正しいことと、外から見て開きたくなることは別の問題です。
いま実際にやっている、確認の順番
ここまでの話をまとめると、私がいまやっている確認は次の順番になっています。特別なツールは使っていません。
- 数字を先に見る。 台帳に載っている値かどうかだけを見ます。ここは機械的に照合できるので、機械にやらせます。
- 体験の場面を見る。 その場面が台帳のどの行から来たのかを1行で説明できるか、を自分に聞きます。説明できないものは、正しそうに見えても外します。ここが機械では通ってしまう場所なので、いちばん時間をかけます。
- 金額と期限を見る。 記事の中に書いてある値ではなく、いま公開している側の値と突き合わせます。
- 本文の外を見る。 検索結果に出る数行と、リンクを貼ったときの見え方を確認します。
この4つのうち、2番目だけが自動化できていません。ずっとそれが気になっていて、なんとか機械側で判定できないかと考えたのですが、いまのところ「台帳のどの行から来たか」を人が言えるかどうか以上に確実な方法を思いついていません。ここは手で見ています。
ちなみに、私はエラーが出ない失敗にも何度かやられています。日付を整える処理で、パソコンによって使える書き方と使えない書き方があるのを知らずに書いてしまい、機能がまるごと無言でスキップされていたことがありました。表に出ない失敗がいちばんこわいという点では、作り話も同じです。エラーとして飛んでこないものは、自分で見に行く仕組みを作らないと一生気づけません。
うまくいっていない話を、あえて残しています

最後に、これは確認の技術というより方針の話です。
2026年8月12日、私はモニターアームを2種類買ったのに、付け替えるのが面倒でいまの構成に入れていない、という話を書きました。不具合があったわけでも、合わなかったわけでもありません。ただ買っただけで、まだ使っていない。それだけの話です。
こういうものは記事に書きにくいです。オチが無いし、誰の役にも立たなそうに見えます。でも、書かないでいると、記録が「全部うまくいっている人」のものになっていきます。
私の実際の数字を並べると、こうです。6月25日から7月27日までに87本を自動投稿して、その間フォロワーは0人のままでした。7月のビューは527、いいねは7、返信は0。返信は一度も来ていません。noteは7月27日時点で記事が27本、フォロワーは2人、全記事の合計いいねは45でした。8月8日時点でも公開記事は31本、合計いいねは54です。
自動投稿は「続ける力」はくれましたが、「届く力」は別物でした。投稿の質を上げる前に、そもそも誰にも見られていないことのほうが問題だった、というのが2ヶ月やって分かったことです。誰にも見られていない状況が続くのは、単純にきついです。
ただ、投稿を数えていて分かったこともありました。抽象的な問いかけだけの投稿より、具体的なしくじりを書いた投稿のほうが見られていたのです。うまくいっていない話を残しておくのは、正直さの問題であると同時に、実務的にも意味がありました。
そしてもうひとつ、クライアントの仕事のほうでこんなことがありました。引き継いだ案件をコンセプトから作り直して、それが最近になって伸びました。素直にうれしかったです。クライアントも驚いていましたし、正直、自分でも驚きました。ただ、伸びるまで手応えは一切ありませんでした。やっている最中は、効いているのかどうか分からないままです。手応えが無い時期がしばらく続いたあとで、急に来ました。だから今も、反応が無い期間をすぐ失敗とは思わないようにしています。
ここに書いた確かめ方は、いま自分の記事づくりで毎日使っているものです。「これはAIに任せていいのか」と迷うものがあれば、公式LINEから聞いてください。
まとめ|疑うべきなのは、変な文章ではなく自然な文章
もう一度、要点だけ書きます。
- AIの作り話は、日本語として自然で、数字の桁も合っている形で出てきます。読み返しでは見つかりません。
- 使える数字を台帳に限定するのは有効ですが、それだけでは止まりません。それと矛盾する古い指示が残っていると効きません。「無ければ書かなくていい」と言い直して、やっと止まりました。
- いちばん見つけにくいのは、性格から組み立てられた場面です。数字が合っているので機械の検査を全部通ります。台帳のどの行から来たかを1行で言えるかで判定しています。
- 結果が合っていても、確かめ方が無いなら止めたほうがいいです。当たったから良し、にすると外れる日まで気づけません。
- 本文の外側も見てください。中身が正しいことと、外から見て開かれることは別です。
私自身、自社の収益はまだ立っていませんし、自分の発信の集客もうまくいっていません。自動化を作っているのに、結局そのつど自分の手を動かしてしまっている、という状態も続いています。だから偉そうなことは言えないのですが、AIに書かせるほど、確かめ方を先に決めておく必要があるということだけは、この2ヶ月ではっきりしました。書く速度が上がるぶん、間違いも同じ速度で増えるからです。
もし、AIで文章を書けるようになったけれど、それを仕事にどうつなげたらいいか分からない、という段階の方がいれば、まずは小さく受けてみるのが早いと思います。私の独立して最初の仕事は、クラウドソーシングでもらった動画編集の案件でした。ココナラではコンサルの案件を10件ほどもらいました。1本3,000円で、時給に換算すれば安かったのですが、実績にはなりました。初めて報酬を受け取ったときは、うれしさより先に「これで生きていける気がしない」と思ったくらいです。それでも、あそこで一度他人のお金を受け取ったことが、確かめ方を真面目に考える出発点になりました。
まずはクラウドソーシングに登録して、いま自分が書けるものを一件だけ出してみてください。他人に渡す前提になった瞬間から、確かめ方の精度は勝手に上がります。


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