この記事で分かるのは、人の集客はできるのに自分の集客だけができない、という状態がなぜ起きるのかという話です。そして、実際にフォロワー0のまま87本投稿してしまった側の人間が、そこから何を見直したかまで書きます。
書いているのは「さとり」といいます。飲食の現場に10年いた元調理師で、いまはSNS運用代行のフリーランスをしています。営業が苦手で、その苦手を埋めるために自動化を作りはじめた在宅ワーカーです。クライアントのアカウントは伸ばせているのに、自分のアカウントは伸びていません。この記事は、その恥ずかしい非対称について書いたものです。
先に結論を書きます。原因は「スキルが足りないから」ではありませんでした。クライアントの仕事には最初から与えられている前提条件が、自分の集客にはひとつも無かった、というだけの話でした。順番に書いていきます。
まず、実際にどれくらい伸びていないかを出します
ごまかしても仕方がないので、数字をそのまま書きます。すべて自分のアカウントの実測値です。
- 2026年6月25日から7月27日までに、Threadsへ87本を自動投稿しました。その間、フォロワーは0人のままでした。
- 7月27日時点で数えたところ、7月のビューは527、いいね7、返信0、リポスト0でした。返信は一度も来ていません。
- 7月27日時点で、68本のうち13本はビューが0か1のままでした。
- 週ごとの平均ビューは右肩下がりでした。18.2 → 15.9 → 8.4 → 7.9 → 5.0 と落ちています。
- 7月のThreads全体では82本投稿して、合計ビュー582、いいね8、平均ビュー7.1でした。
- 2026年8月4日までの直近7日間では、24本投稿して合計ビュー120、いいね1、返信0でした。この週もビューが0か1のままの投稿が8本ありました。
- noteは2026年7月27日時点で、記事27本・フォロワー2人・全記事の合計いいね45です。
これを書いていて思うのは、単純にきつい、ということです。誰にも見られていない状態が続くのは、数字の問題というより気分の問題として重くのしかかります。頑張っているかどうかとは関係なく、画面に出てくるのはビュー0という表示だけです。
一方で、クライアントの仕事のほうでは、引き継いだ案件をコンセプトから作り直したものが最近になって伸びました。素直にうれしかったですし、クライアントも驚いていました。正直、自分でも驚きました。
同じ人間が、同じ頭で、同じ時期にやっています。それなのに、片方は伸びて、片方は0のままです。この差はどこから来ているのか、というのがこの記事の主題です。
結論:クライアント案件には「最初から揃っているもの」が多すぎた
自分の集客がうまくいかない理由を考えたとき、最初は「自分のアカウントには手を抜いているからだ」と思っていました。でも実際は逆で、自分のアカウントのほうが投稿本数は多いです。87本を、朝7時・昼12時・夕17時・夜21時・23時の1日5本で、休まず出していました。手を抜いてはいませんでした。
では何が違ったのか。振り返って整理すると、クライアント案件には次のものが最初から用意されていました。
- 誰に向けて発信するのかが、すでに決まっている。商品やサービスがあるので、その時点で読み手が絞られています。
- 話すべき中身が、自分の外側にある。クライアントの取り組み、こだわり、現場。素材を自分の内側から絞り出す必要がありません。
- すでにアカウントが動いている。引き継いだ案件なら、過去の投稿も、多少なりとも既存のフォロワーもいます。
- 反応が返ってくる相手がいる。クライアント本人という、確実に見てくれる人が最低ひとりいます。
自分のアカウントには、このどれもありませんでした。誰に向けるかは自分で決めるしかなく、話す中身も自分の中から出すしかなく、過去の蓄積はゼロで、見てくれる人もゼロです。
つまり「運用代行のスキル」だと思っていたものの中身は、かなりの部分が“すでに条件が揃っている状態で最適化する力”だった、ということになります。ゼロから条件そのものを作る作業は、それとは別のスキルでした。ここを混同していたのが、いちばん大きな勘違いだったと思っています。
自動投稿は「続ける力」はくれたが「届く力」はくれなかった

自動化を組み始めたのは2026年6月です。まだ2ヶ月ほどしかやっていません。中身としては、Windowsのタスクスケジューラーと Python とAPIの直叩きで、Threadsに1日5本を全自動で投げています。Xも同じ時間に1日5本、同じ作りで、2026年8月4日から動かし始めました。
毎朝6時台にAIが投稿文をまとめて生成して、Googleドライブにテキストとして保存します。投稿スクリプトはそれを読んで投げるだけです。失敗したらログが残って、Discordに通知が飛び、次にPCを開いたときにも報告が上がるようにしています。費用は、XのAPI利用料が1日5本で月350円ほど。ThreadsのAPIは無料で、タスクスケジューラーはWindowsの標準機能なので0円です。(金額は2026年8月時点の目安です。最新は公式でご確認ください。)
この仕組み自体は、ちゃんと役に立っています。やる気がある日も無い日も、同じ時間に同じ本数が出ていくという状態は、手動では絶対に作れませんでした。実際、87本という本数は、自分の意志だけでは出せていなかったと思います。
ただ、はっきり分かったことがあります。自動投稿は「続ける力」はくれますが、「届く力」は別物です。続いているのに0のまま、という状態が普通に成立します。むしろ自動化していると、続いていること自体が達成感になってしまって、届いていない事実に向き合うのが遅れます。
自分の場合、週平均ビューが 18.2 から 5.0 まで落ちていく過程で、それでも投稿は毎日出ていたので、「とりあえず回っている」という感覚のまま1ヶ月が過ぎました。回っていることと、効いていることは、まったく別です。
「投稿の質を上げる」より前に、見られていないことのほうが問題だった
数字が伸びないとき、最初に手をつけたくなるのは投稿の中身です。文章を練り直そう、構成を変えよう、フックを強くしよう、と考えます。自分もそうしました。
でも、ビューが0か1の投稿が68本中13本あるという状態で、文章の良し悪しを議論しても意味がありません。読まれていないものの質は、測定できないからです。表示すらされていない投稿を推敲しても、返ってくる情報は何もありません。
これは、クライアント案件との差が最も出たところだと思っています。クライアントのアカウントなら、多少なりとも既存の読み手がいるので、投稿を変えれば反応の変化が返ってきます。改善のループが回ります。自分のアカウントは、そのループの入口に立てていませんでした。
それに気づいてから、順番を入れ替えました。質を上げる作業を止めたわけではありませんが、優先度としては「そもそも人がいる場所に置けているか」を先に見るようにしています。具体的には、時間帯の使い方と、投稿の入口の作り方です。
時間帯を実測したら、思っていたのとは違っていた
1日5本を朝・昼・夕・夜・深夜に振り分けているので、どの枠が見られているかは自動集計で出るようにしています。週次と月次で自分の投稿を集計して、Discordにレポートが飛ぶ仕組みです。
7月27日時点のスロット別の平均ビューは、朝15.7・昼5.7・夜1.8でした。朝がいちばん見られていました。夜がここまで低いのは、正直、想定していませんでした。感覚では夜のほうが人がいると思っていたからです。
ただ、面白いのはここからで、2026年8月4日までの週で同じ集計をすると、朝6.0・昼6.6・夜2.4でした。この週は昼のほうがわずかに高くなっています。7月のThreads全体で見ると、平均ビューが最も高かったのは「朝」の枠でした。
この程度の母数で「朝が正解」と言い切るのは無理があります。ビュー数が一桁台のところで数字が入れ替わっているだけなので、傾向というより誤差の範囲かもしれません。ただ、感覚で「夜がいいはず」と思い込んだまま夜に力を入れていたら、いちばん低い枠に注力していたことになります。そこを実測で確認できたのは、数字を出す仕組みを作っておいてよかった点だと思っています。
ここで書いておきたいのは、自分のアカウントを持っておくと、こういう検証を自分のリスクでできるということです。クライアントのアカウントで「夜が効くか試してみます」とは言いにくいですが、自分のアカウントなら好きなだけ外せます。伸びていないアカウントにも、実験場としての価値はあります。慰めのように聞こえるかもしれませんが、実際そうやって時間帯の当たりを付けています。
反応が無い期間を、すぐ失敗と決めないようにしている理由
数字が0のまま続くと、やっていることが間違っているように思えてきます。実際、いまも自社の収益は立っていませんし、AIを使った仕事に可能性は感じているものの、収益が立っていないので方向性が合っているのか不安になります。
ただ、そう思うたびに引き合いに出しているのが、さきほど書いたクライアント案件のことです。コンセプトから作り直した案件は、伸びるまで手応えが一切ありませんでした。やっている最中は、効いているのかどうか分からないまま進めていました。手応えが無い時期がしばらく続いたあとで、急に来ました。
だから、反応が無い期間をすぐに失敗とは思わないようにしています。これは根性論ではなくて、実際に「無反応のあとに来る」という経験を一度したからです。逆に言えば、その経験が無ければ、自分も87本の途中でやめていたと思います。
もちろん、無反応を無限に許容すればいいという話ではありません。自分の場合は、続けるかどうかの判断材料として、次のように分けて考えるようにしています。
- そもそも表示されていないのか。これは中身以前の問題なので、置き場所や出し方を変えます。
- 表示はされているが反応が無いのか。これは中身の問題なので、書き方を変えます。
ビューが0か1の投稿が13本、直近の週でも8本ある自分の状態は、明らかに前者です。だとすれば、文章を磨くより先にやることがある、という判断になります。
具体的なしくじりを書いた投稿のほうが、見られていた

数少ない手がかりとして、ひとつだけ分かったことがあります。抽象的な問いかけだけの投稿よりも、具体的なしくじりを書いた投稿のほうが見られていました。
そして、自分にはしくじりの在庫がかなりあります。たとえば、Xの自動投稿を組んだとき、タスクは全部「準備完了」と表示されていたのに、実際は一度も動いていませんでした。原因は、登録スクリプトで変数名にPowerShellの予約語を使っていて、タスクに渡す引数が丸ごと空になっていたことでした。エラーもログも残らないので、気づくのに時間がかかりました。
2026年7月3日から5日までは、Threadsの投稿が1本も出ていませんでした。早朝にPCがスリープしていて、6時の生成スクリプトが走れなかったのが原因です。7月14日には投稿が3件失敗しましたが、こちらもPCが落ちていたことが理由でした。
もっと最近では、2026年8月6日に朝6時の投稿文生成が動かず、その日のThreadsは朝と夕、Xは朝・昼・夕の投稿がまるごと出ませんでした。原因は、生成に使っているAIの利用上限に当たって止まったことです。止まったこと自体に、夜まで気づきませんでした。
こういう話は、書いているときは「こんな失敗談に価値があるのか」と思います。でも数字を見ると、抽象的な問いかけよりは見られています。理由は推測でしかありませんが、失敗の話には具体的な状況があるので、読む側が「自分にも起きうる」と判断しやすいのかもしれません。
ここは自分の集客がうまくいっていない中で、数少ない前向きな発見でした。持っている素材が失敗しかないなら、失敗を出せばいいという結論になったので、方針としてはむしろ楽になりました。
AIに書かせていたら、実際とは違う数字を書いてきた
集客の話からは少し外れますが、自分の発信をAIに任せるうえで避けられなかった問題なので書いておきます。
投稿文をAIに生成させていたら、実際とは違う数字を書いてきました。本当は68本なのに62本と書いていて、しかも文章としては自然なので、読んでも気づけません。自分の実測値を根拠に発信しているのに、その数字が事実と違っていたら、発信の意味がまるごと無くなります。
対策として、実際に起きたことと実測値だけを書いた台帳を作って、そこに載っている数字しか使わせないようにしました。ところが、台帳を足しただけでは直りませんでした。前から書いてあった「毎回、具体的な出来事を必ず入れる」という指示と噛み合わず、台帳のネタが尽きるとやっぱり作り話をしました。「無ければ書かなくていい」と言い直して、やっと止まりました。
この件から学んだのは、禁止だけでは足りないということです。「嘘を書くな」と「毎回具体例を入れろ」を同時に指示すると、素材が尽きた瞬間に後者が勝ちます。逃げ道を用意しないと、指示同士がぶつかったところで壊れます。
自分の集客がうまくいっていない話をしている中で、こんな足元の問題まで抱えていたのか、と思われるかもしれません。実際そのとおりです。ただ、事実と違う数字を出しながら発信を続けるよりは、止まってでも直したほうがいいと思っています。
自動化を作っているのに、結局そのつど手を動かしている
正直に書いておくと、いま抱えている不安のひとつがこれです。自動化を作っているのに、結局そのつど自分の手を動かしてしまっています。
トークンの期限もそうでした。Threadsの認証トークンが、あと10日で切れるところでした。切れたら投稿が全部止まります。気づいたその日に延長して、ついでに毎月1日に自動で延長する仕組みを入れました。これは自動化できた例ですが、「気づいたその日に」というのが人力です。気づかなければ止まっていました。
ほかにも、note告知が一度も投稿されていない時期がありました。原因は、告知文をスプレッドシートにだけ書き込んで、投稿スクリプトが読むドライブ側のファイルを更新していなかったことです。認証トークンのファイルにBOMが混ざっていて投稿が丸ごと止まったこともあります。見た目は何も変わらないので、原因の特定に時間がかかりました。
これらに共通しているのは、エラーが表に出ない失敗だということです。日付を整える処理でも、パソコンによって使える書き方と使えない書き方があるのを知らずに書いて、機能がまるごと無言でスキップされていたことがありました。エラーが出て止まってくれるほうが、まだ親切です。
それ以来、タスクを登録したあとは「準備完了」の表示だけで安心せず、渡している引数が空になっていないか毎回確かめるようにしています。この確認作業自体は、いまも手でやっています。自動化の周りには、こういう手作業が必ず残るのだと思っています。
いま考えている、次にやること

ここまで書いてきた内容を、自分の行動としてどうまとめたかを書いておきます。断定できるほどの結果は出ていないので、あくまで現時点の方針です。
- 本数を増やす方向には、もう振らない。87本で0人という結果が出ているので、同じやり方の本数を増やしても同じ結果になる可能性が高いと考えています。
- 抽象的な問いかけの投稿を減らす。これは実測で差が出ている部分なので、素直に寄せます。
- 失敗の記録を素材として貯める。結果的に、自動化のトラブルはそのまま発信の素材になっています。台帳に書き足す作業を、単なる記録ではなく素材集めとして扱うようにしました。
- 置き場所の分散を続ける。noteの新着はRSSで拾って、月水金に自動で告知しています。Xでは本文にURLを置かず、投稿にぶら下げる返信に貼っています。2026年8月6日には自社サイトも公開しました。同じサイトを2つ作ってしまっていたことに気づいてWordPress版に一本化し、押しても何も起きない状態だった問い合わせフォームを、Googleフォームにつないで実際に送信できるようにしました。
- 数字は、週次と月次の自動レポートで見る。毎日見ると気分が振り回されるので、まとめて見るようにしています。
この方針で伸びるかどうかは、まだ分かりません。ただ、少なくとも「感覚で夜に力を入れる」ような外し方は減らせているはずです。
自分の集客と、人の集客が別物だという話は、そのまま今の仕事の中身でもあります。何を引き受けているかは自分のサイトにまとめています。
まとめ:人の集客と自分の集客は、同じ仕事ではなかった
長くなったので、要点を整理します。
- クライアントのアカウントは伸ばせても、自分のアカウントが伸びないことは普通に起こります。自分の場合、87本投稿してフォロワー0、7月のビュー527・いいね7・返信0でした。
- 差の正体はスキルの有無ではなく、前提条件の有無でした。誰に向けるか、何を話すか、過去の蓄積があるか、見てくれる人がいるか。代行案件にはこれが最初から揃っています。
- 自動投稿は続ける力はくれますが、届く力は別物です。回っていることと効いていることを混同すると、気づくのが遅れます。
- ビューが0か1の投稿が並んでいる段階では、文章の質を議論しても情報が返ってきません。まず表示されているかどうかを見ます。
- 実測してみると、感覚とはずれていました。7月時点では朝15.7・昼5.7・夜1.8で、朝がいちばん見られていました。
- 抽象的な問いかけより、具体的なしくじりのほうが見られていました。素材が失敗しかないなら、失敗を出せばいいという結論になりました。
- 反応が無い期間をすぐ失敗と決めないようにしています。コンセプトから作り直したクライアント案件は、伸びるまで手応えが一切ありませんでした。
SNS運用代行という仕事をしていると、「自分のアカウントが伸びていないのに人のアカウントを預かっていいのか」という気持ちになることがあります。自分もなります。ただ、条件が違う以上、結果が違うのは当然でもあります。そのうえで、自分のアカウントは失敗を試せる場所として持っておくと、代行の仕事にそのまま戻ってきます。時間帯の話も、失敗談が読まれるという話も、自分の0人アカウントで得たものです。
いまも自社の収益は立っていませんし、業務委託は仕事量が多いわりに利益は低いままです。不安が消えたわけではありません。それでも、好きなことを好きな時間にやれている環境については、飲食を辞めてよかったと今になって思えています。数字が0でも、その部分だけは変わっていません。
もし同じように、自分の発信が誰にも見られない状態が続いている方がいたら、まず「表示されていないのか、表示はされているが反応が無いのか」を分けて数えてみてください。そのうえで、外に出す場所を増やしたいときや、そもそも仕事として案件を取りに行きたいときは、クラウドソーシングやフリーランスエージェントに登録しておくと、発信の結果を待たずに動けます。自分もフォロワー0の期間、そちら側で食いつないでいました。発信が育つまでの時間を、別の入口で埋めておくのは現実的な選択だと思います。


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