私は動画編集のスクールに約70万円を払い、6ヶ月かけて通いました。そのあとフリーランスとして独立し、今も仕事を続けています。
その立場で今の市場を見ると、正直なところ戸惑います。同じ「動画編集を学ぶ講座」が、8万円前後から公開されているからです。金額の桁が違います。
この記事は「どのスクールがおすすめか」を決める記事ではありません。私が受講したのは1校だけで、他校を受けていない人間が順位を付けても意味がないからです。代わりに、70万円を実際に払った人間が「何を基準に選べばよかったか」を先に書きます。基準さえ決まれば、あとはご自身で比べられます。
先に、私の立場をはっきりさせます
この記事の信頼性は「私が何を知っていて、何を知らないか」を先に出すことでしか成立しないと思っています。
- 知っていること: 約70万円・6ヶ月のスクールに実際に通った経験。何が役に立って、何が役に立たなかったか。卒業後に案件を取り、そして失った過程。
- 知らないこと: この記事で紹介する2つの講座を、私は受講していません。中身の良し悪しを体験として語ることはできません。書けるのは公式サイトに公開されている条件だけです。
だからこの記事の構成は、前半が体験(私の一次情報)、後半が公開情報(各社の公式表示)になります。混ぜません。
70万円で実際に手に入ったもの
先に結論を書くと、70万円の元は「授業」では取れていません。
編集ソフトの操作は Premiere Pro でしたが、この手の操作は今なら無料の解説動画がいくらでもあります。当時もありました。授業を受けなければ絶対に分からない、という内容ではありませんでした。メンターに聞ける仕組みもありましたが、私にとってそこが決定打だったかというと、そうではありませんでした。
ではどこに価値があったかというと、同期です。
独立してすぐの時期、私は案件が取れませんでした。提案文を送っても返事が来ない。何が悪いのかも分からない。そのとき、同期が私の提案文を読んで、どこが弱いかを具体的に指摘してくれました。自分たちがどうやって営業しているかも共有してくれました。
営業のやり方自体はカリキュラムにも入っていました。知識としては持っていたのに、自分の提案文には適用できていなかったのです。その溝を埋めたのは教材ではなく人でした。
今も彼らとは仲が良いですし、正直に言えば私より稼いでいる同期のほうが多いです。講師になった人もいます。同じスクールに同じ時期に入って、結果はこれだけ違います。
70万円で手に入らなかったもの

逆に、払っても付いてこなかったものもはっきりしています。
私は初報酬を1ヶ月目に得ました。数字だけ見れば早いほうだと思います。ところがその2ヶ月後には、その仕事を失いました。取ることと、取り続けることは別の技術でした。
スクールで教わるのは、多くの場合「最初の1件を取るまで」です。そこから先の、継続してもらう・単価を上げる・別の入口を作るという部分は、卒業後に自分で解くことになります。ここを外注できると思って入ると、金額に対して期待がずれます。
これは私が通った1校の話であって、すべての講座がそうだとは言いません。ただ「入れば稼げるようになる」という前提で金額を見ないほうがいい、というのは自分の失敗として言えます。
選ぶときに見るべき7つの基準
以上を踏まえて、私が今もう一度選ぶなら見る点を並べます。順番にも意味があります。上ほど、あとから取り返しがつきません。
基準1: 支払う金額の桁を、先に自分で決める
講座を見比べてから予算を決めると、必ず高いほうに引っ張られます。先に「この金額までなら、仮に回収できなくても生活が壊れない」という線を引いてから、その範囲で探すほうが冷静に選べます。
私はこれをやっていませんでした。収入が無いまま費用だけが出ていく時期があり、精神的にかなり削られました。金額そのものより、その状態が判断を鈍らせます。
基準2: 受講期間に区切りがあるか
3ヶ月・6ヶ月と区切られている形式と、期間の区切りがない形式があります。区切りがあると強制力が働く一方、生活の都合で走れない月があると、その分だけ丸ごと損になります。
本業を持ちながら学ぶなら、期間の区切りがないほうが現実的だと私は思います。私は独立前提で時間を確保できたのでどうにかなりましたが、会社員のまま同じペースを求められていたら脱落していたはずです。
基準3: 質問できる相手が、いつまでいるか
「質問し放題」と書かれていても、期間の条件が付いていることがあります。いつまで、どの手段で、何回までを確認してください。詰まるのは学習中よりも、実際の案件が来てからです。
基準4: 同期・コミュニティがあるか
私にとっては、ここが結果的に最大の価値でした。ただしこれは相性の問題でもあります。人と関わるのが負担になるタイプなら、コミュニティの有無より教材の質を優先したほうがいいと思います。「コミュニティがあるから良い講座」と一般化するつもりはありません。
基準5: 案件を取るところまでカリキュラムに入っているか
編集技術だけを教える講座と、提案文・ポートフォリオ・営業まで含む講座があります。技術は独学で追いつけますが、営業は独学だと何が悪いのか分からないまま時間が過ぎます。私が実際に詰まったのもここです。
基準6: 扱うソフトが実務で指定されるものか
私が学んだのは Premiere Pro でした。案件で指定されることが多いソフトなので、結果として無駄になりませんでした。解説記事や動画の数も多く、卒業後に調べやすいという利点もあります。どのソフトを扱う講座なのかは、申し込む前に必ず確認してください。
基準7: ソフト代が別途かかるかを、受講料と合わせて見る
見落としやすいのがここです。編集ソフトの利用料は受講料に含まれないことがあります。月額が別途かかるなら、受講期間ぶんを足した金額が実質の負担です。安く見える講座がそうでなくなることもあります。
公開情報として、2つの講座を並べます
ここからは私の体験ではありません。各社の公式サイトに表示されている内容を、そのまま並べたものです(2026年8月9日時点)。 私はどちらも受講していないので、中身の評価はしません。
| 項目 | CREATORS JAPAN プレミアプロ講座 | MovieHacks |
|---|---|---|
| 価格(公式表示) | 79,800円 | 99,800円 |
| 受講期間 | 動画コンテンツ学び放題 | 受講期間 無制限 |
| 質問 | チャットサポート | LINEで24時間質問し放題 |
| コミュニティ | サロンへ招待 | 公式表示の範囲では確認できず |
| 案件獲得の扱い | ビジネス編に案件獲得・ポートフォリオ・提案文・単価アップ・確定申告(税理士監修) | YouTube特化型と表示 |
| ソフト代 | 公式表示の範囲では確認できず | 別途 Adobe Creative Cloud 月額5,680円(学生1,980円)が必要と明記 |
出典: CREATORS JAPAN 公式 / MovieHacks 公式(いずれも2026年8月9日に確認)
表の「確認できず」は、無いという意味ではありません。公式サイトの表示だけでは判断できなかったという意味です。無いことにして書くほうが不誠実だと思うので、そのまま残しています。
なお、CREATORS JAPAN の公式サイトには他社との比較表が載っていますが、そこに書かれた他社の金額はこの記事では引用していません。ある会社が競合について出している数字は、その会社の主張であって一次情報ではないからです。引用したのは、各社が自社について出している数字だけです。
基準に当てはめると、どう見えるか

先ほどの7つの基準に、公開情報を当ててみます。繰り返しますが、受講していないので「どちらが良い」という結論は出しません。
- 金額の桁: どちらも8万〜10万円の範囲で、私が払った約70万円とは桁がひとつ違います。この差が何なのかは次の項で書きます。
- 受講期間: どちらも期間の区切りが無い形式です。本業と並行するなら、この形式のほうが現実的だと私は考えています。
- 質問: MovieHacks は手段(LINE)と時間(24時間)が公式に明記されています。条件が具体的に書かれているほうが、あとで食い違いにくいです。
- 案件獲得: CREATORS JAPAN はビジネス編として営業・提案文・確定申告まで項目に入っています。私が卒業後に詰まった領域がカリキュラムに含まれている点は、基準5の観点では見るべきところです。
- ソフト代: MovieHacks は別途費用を公式に明記しています。書いていない講座が「かからない」わけではないので、申し込み前に必ず確認してください。
条件は変わります。金額も内容も、申し込む前に必ず公式で最新の表示を確認してください。
では、70万円との差は何だったのか
ここが、この記事でいちばん書きたかったところです。
8万円の講座と70万円のスクールで、教材そのものの差が9倍あるとは思いません。編集ソフトの操作を教える部分に、それだけの差が生まれる余地はないはずです。
差が出るとすれば、人が動く部分です。個別に添削する、面談する、進捗を管理する、対面の場を用意する。人の時間が入るほど金額は上がります。私が価値を感じた「同期」も、そういう場が用意されていたから生まれたものでした。
つまり金額の差は「教材の差」ではなく「人の時間の差」として見たほうが、判断を間違えにくいと私は思っています。そのうえで、自分にその部分が要るのかを考える。独学で手が止まらないタイプなら、要らない可能性があります。私は要るタイプでした。
ただし、高いほうが確実に成果が出るという話ではありません。同じスクールに同じ時期に入った同期の結果がばらばらだったことが、その証拠です。差が付いたのは卒業後に何を続けたかでした。
この記事で言えないこと

誠実に書くために、限界も書いておきます。
- 紹介した2つの講座を私は受講していません。教材の質やサポートの実態は分かりません。
- 私が受講した講座の校名は出していません。カリキュラムは改定されますし、当時の私の感想が今も当てはまるとは限らないためです。
- 収入には個人差があります。 スクールに入れば案件が取れる、独立できる、といった保証はできません。私自身、初報酬を得たあとに失注しています。
- 金額・条件は変わります。この記事の数字は2026年8月9日時点の公式表示です。
まとめ
- 私は約70万円・6ヶ月のスクールに通った。元が取れたのは授業ではなく同期だった
- 初報酬は1ヶ月目、しかし2ヶ月で失注した。取ることと取り続けることは別の技術だった
- 選ぶ基準は7つ。とくに金額の桁を先に決める・期間の区切り・営業がカリキュラムにあるか・ソフト代が別かどうか
- 公開情報では CREATORS JAPAN が79,800円、MovieHacks が99,800円(2026年8月9日時点)。私はどちらも受講していない
- 金額の差は教材の差ではなく人の時間の差として見ると判断しやすい
費用をいくらで見積もり、どう回収を考えるかは、動画編集スクールの費用相場と、元を取るための考え方にまとめました。私が実際に70万円をどう回収しようとして、どこで計算が狂ったかも書いています。
受講した1校の話をもっと詳しく読みたい方は、動画編集スクールは意味ない?70万円払った卒業生が正直に話しますもあわせてどうぞ。


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