営業が苦手でも仕事が取れる方法|売り込まずに依頼が来る導線の作り方

営業が苦手でも仕事が取れる方法|売り込まずに依頼が来る導線の作り方 フリーランス

フリーランスや副業で一番きついのは、作業ではなく営業だと思います。少なくとも私はそうでした。

提案を送るのが憂うつで、返事が来ないとさらに落ち込む。売り込むこと自体に抵抗があって、手が止まる。「営業できないならフリーランスは無理だ」と何度も思いました。

結論から書きます。私は今も営業が苦手なままです。それでも仕事は続いています。克服したのではなく、営業しなくて済む形に作り替えたからです。

この記事では、営業が苦手な人が実際に取れる手を、私がやってきた順番で書きます。

まず前提:営業が苦手なのは直らなくていい

営業の本を読んだり、トークの型を覚えたりもしました。でも、苦手なものは苦手なままでした。

ここで大事なのは、苦手を克服しようとすると、たいてい失敗して自信をなくすということです。もともと苦痛な作業を根性で続けても長続きしません。

だから方針を変えました。「営業がうまくなる」ではなく「営業しなくても仕事が来る状態を作る」。目的は仕事を取ることであって、営業がうまくなることではないからです。

方法1:提案を「売り込み」から「作業説明」に変える

とはいえ、最初のうちは自分から応募するしかありません。ここで大きく効いたのが、提案文の書き方を変えたことでした。

私が最初に送っていた提案文は、通りませんでした。同じ時期に始めた仲間はどんどん受注しているのに、自分だけ決まらない日が続きます。

見かねた仲間が私の提案文を読んで、問題を指摘してくれました。

  • 自己紹介から始まっていた——相手が知りたいのは私の経歴ではない
  • どこにでも送れる文面だった——募集内容を読んでいないことが伝わる
  • 「頑張ります」で終わっていた——何をどうするのかが書かれていない

直した後の提案文は、売り込みではなく作業の説明になりました。「私はこういう者です」ではなく、「この依頼なら、こういう手順で、これくらいの期間で作ります」と書く。

これは営業が苦手な人にとって、かなり気が楽になる書き方です。自分を売り込む必要がなくなって、作業の話をするだけでよくなるからです。私はこれで最初の報酬にたどり着きました。

売り込まない提案文の型

実際に使っている構成を書いておきます。

  • 1行目:募集内容のどこを見て応募したか(読んだ証拠になる)
  • 2〜3行目:その依頼をどう進めるか、具体的な手順
  • 4行目:対応できる時間帯と、連絡が返せるタイミング
  • 最後:関連する作例を1つだけ添える

ここに「熱意」や「やる気」は要りません。発注側が不安なのは、頼んで大丈夫かどうかだけです。手順が具体的に書いてあって、連絡が取れることが分かれば、それで足ります。

方法2:探しに行くのをやめて、見つけてもらう形にする

提案を送り続けるやり方には、限界があります。送るのをやめた瞬間に仕事が途切れるからです。

実際、私は初めての案件を1ヶ月で取れましたが、その案件は2ヶ月で終わりました。そしてまたゼロから提案を送り直すことになります。営業が苦手な人間にとって、この繰り返しが一番きつい部分でした。

そこで、やり方を変えました。自分から探しに行くのではなく、見つけてもらう形に切り替えたんです。

やっていることは3つだけです。

  • 実務でやったこと・失敗したことを、毎日発信する
  • 詳しい内容は記事にまとめて、いつでも読める場所に置いておく
  • 興味を持った人が連絡できる場所を用意しておく

売り込みに行くのではなく、置いておく。これなら「断られる」という体験が発生しません。営業が苦手な人にとって、この違いは決定的です。

発信する内容は「実績自慢」ではない

ここを間違えると効きません。「こんな成果を出しました」という発信は、意外と反応が薄いです。

反応があるのは、実際にやった作業の中身と、うまくいかなかった話のほうです。私自身、抽象的な問いかけや一般論を並べていた時期はまったく読まれませんでした。具体的な体験を1つ入れる形に変えてから、ようやく反応が出るようになりました。

理由は単純で、読む側は「この人に頼めるか」を判断したいからです。成果の数字より、どう作業する人なのかが分かるほうが、依頼の判断材料になります。

方法3:続けられないなら、仕組みにする

時間を管理する様子

ここまで読んで「毎日発信なんて続かない」と思った人は正しいです。私も手作業では続きませんでした。

営業が苦手な人は、たいてい発信も苦手です。だから根性で続けようとせず、続かない前提で仕組みを作りました。

  • 発信する内容を、まとめて作っておく
  • 決まった時間に自動で出るようにする
  • 止まったら気づけるようにしておく

こうすると、「今日まだ発信していない」と気にする時間そのものがなくなります。実際にやってみて、作業時間が減ること以上に、この心理的な負担が消えたことが大きい効果でした。

自動化というと難しく聞こえますが、最初は「まとめて書いておいて、あとは出すだけにする」だけでも十分効きます。

方法4:受け取り口を用意しておく

見落とされがちですが、興味を持った人が連絡できる場所が無いと、そこで終わります。

必要なのは、これだけです。

  • 何ができる人なのかが分かるプロフィール
  • 過去の作業内容が分かるページ
  • 問い合わせできる窓口(フォームでもメッセージでも構いません)

ここが空だと、せっかく発信を見て興味を持った人が、行き場を失います。私も一時期、発信だけして受け取り口を作っていない状態でした。今思えば、一番もったいない状態です。

受注経路は1本にしない

営業が苦手な人ほど、受注経路が1本だけになりがちです。私もクラウドソーシングだけに頼っていた時期があり、そこが途切れたときに一気に苦しくなりました。

実際に使える経路は、負担の軽い順に並べるとこうなります。

経路心理的な負担特徴
クラウドソーシング案件は多いが、毎回提案を送る必要がある
エージェント登録案件を持ってきてもらえる。自分から売り込まない
発信からの問い合わせとても低時間はかかるが、断られる体験が発生しない
知人・元同期からの紹介信頼が前提なので話が早い。ただし運任せにはできない
直接の飛び込み営業苦手な人には向かない。無理にやらなくていい

営業が苦手なら、下2つを軸にして、上の2つを補助に使うのが現実的な組み立てです。飛び込み営業は選択肢から外して構いません。

紹介については、意外と侮れません。私の場合、スクールで一緒だった同期とは今も連絡を取り合っていて、情報交換が続いています。売り込まなくても、何をやっている人か知られていれば、話が回ってくることがあります。

断られ続けた時期に、私がやったこと

きれいごとに聞こえないように、うまくいかなかった時期の話も書いておきます。

提案を送っても返事が来ない日が続いたとき、私がやったのは提案の数を増やすことではありませんでした。数を打っても同じ文面なら結果は変わらないからです。

やったのは、人に見てもらうことでした。自分の提案文を仲間に読んでもらい、どこが弱いのかを指摘してもらう。自分では絶対に気づけませんでした。

営業が苦手な人ほど、うまくいかないときに一人で抱え込みます。でも、提案文の良し悪しは自分では判断できません。誰か一人に見てもらうだけで、状況が変わることがあります。

相談できる相手がいない場合でも、受注できている人の提案文の型を探して真似るところから始められます。オリジナリティは後からで構いません。

それでも仕事が来ないときに見るところ

オンラインで学ぶ様子

仕組みを作っても、すぐには来ません。私も時間がかかりました。動かないときに確認するのは、この順番です。

1. 誰に向けて言っているかが曖昧になっていないか

「何でもできます」は、誰にも刺さりません。対象を狭めるほど、届く人には強く届きます。私の場合は「SNSの運用を自分でやる時間がない人」に絞ってから、話が通じやすくなりました。

2. 発信が一般論になっていないか

役に立ちそうなことを書こうとすると、どこかで読んだような内容になります。自分が実際に手を動かして分かったことだけを書くほうが、結果的に読まれます。

3. 量が足りているか

身も蓋もありませんが、発信が数回では何も起きません。だからこそ、根性ではなく仕組みで続ける必要があります。

問い合わせが来たときに困らないために

営業が苦手な人は、実は問い合わせが来てからも苦手です。私もそうでした。ここで固まると、せっかくの機会を落とします。

金額を聞かれたときに黙らない

一番きついのが金額の話です。安く言ってしまいたくなる気持ちも分かります。

対策は単純で、先に自分の中で金額を決めておくことです。その場で考えるから言葉に詰まります。「この作業ならいくら」を事前に決めておけば、聞かれたときに答えるだけで済みます。

相場が分からないなら、クラウドソーシングで同種の案件がいくらで募集されているかを見てください。桁を外していなければ、まず大きな問題にはなりません。

できないことは早めに言う

受注したい気持ちから、できるかどうか曖昧なまま引き受けると、後で自分が苦しくなります。

「その部分は対応できませんが、ここまでなら可能です」と範囲を示すほうが、結果的に信頼されます。全部できる人より、できることが明確な人のほうが頼みやすいからです。

返信の速さだけは守る

営業が苦手でも、これはできます。返信が速いというだけで、かなりの部分が埋まります。

実際、発注する側の不安の多くは「連絡が取れるか」です。内容が完璧でなくても、当日中に一言返すだけで印象は変わります。

営業が苦手なままでも成立する理由

ここまで書いてきて、根本の話をしておきます。

仕事を頼む側は、営業がうまい人を探しているわけではありません。頼んだ作業をちゃんとやってくれる人を探しています。

だから、押しの強さで勝負する必要はありません。必要なのは次の3つだけです。

  • 何ができる人なのかが分かること
  • 頼んだ後どうなるかが想像できること
  • 連絡が取れること

この3つは、口下手でも文章で満たせます。営業の得意不得意と、この3つを満たせるかどうかは、まったく別の話です。

私は今も人に売り込むのが苦痛です。それでも仕事が続いているのは、この3つを外さないようにしているからだと思っています。

よくある質問

動画編集の作業画面

Q. 顔出しや実名は必要ですか?
A. 必須ではありません。ただし「何ができる人なのか」が分かることは必要です。匿名でも、実務の内容が具体的なら十分伝わります。

Q. 発信は毎日必要ですか?
A. 毎日でなくても構いませんが、間隔が空きすぎると存在が忘れられます。手作業で毎日が無理なら、まとめて作って自動で出す形にするのが現実的です。

Q. 結局は営業できたほうが有利ではないですか?
A. 有利だと思います。ただ、苦手なまま無理に続けて手が止まるくらいなら、自分が続けられる形を選んだほうが、長い目で見て仕事は途切れません。私はそう判断しました。

私が今も続けていること

最後に、実際に回している形を書いておきます。特別なことはしていません。

週に一度、発信の内容をまとめて作る

毎日書こうとすると続きません。週に1回まとめて用意して、あとは決まった時間に自動で出るようにしています。

これで「今日まだ発信していない」と気にする時間が消えました。作業時間が減ったこと以上に、この心理的な負担がなくなったのが大きかったです。

書くのは実務でやったことと、失敗したこと

成果の数字より、実際にどう作業したかのほうが読まれます。うまくいかなかった話も隠しません。そのほうが、頼む側に人物像が伝わります。

詳しい話は記事にまとめておく

短い発信では説明しきれない内容は、記事にして置いておきます。興味を持った人が、自分のペースで読める場所を用意しておくという考え方です。

受け取り口を空にしない

問い合わせできる場所は常に開けておきます。ここが塞がっていると、それまでの積み重ねが全部無駄になります。

この4つだけです。売り込みに行く工程が、どこにもありません。営業が苦手な人間が続けられる形は、この形しかなかったというのが正直なところです。

まとめ

営業が苦手なままでも、仕事は取れます。順番はこうです。

  • 提案文を「売り込み」から「作業説明」に変える——自分を売らなくてよくなる
  • 探しに行くのをやめて、見つけてもらう形にする——断られる体験が発生しない
  • 続かない前提で仕組みにする——根性に頼らない
  • 受け取り口を用意する——興味を持った人の行き場を作る

私は今も営業が苦手です。人に売り込むのは変わらず苦痛です。それでも困らなくなったのは、苦手を直したからではなく、やらなくて済む形に変えたからでした。

苦手なことは、無理に直さなくていいと思います。避けて回る道を作るほうが、たいていの場合は早いです。

【内部リンク:AIで副業を効率化する方法(記事04)/クラウドソーシングで初案件を取る提案文の書き方(記事14)/売り込まない集客の作り方(記事19)】

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